傍らを飛び立つ鳥に声を掛けたり。


木から葉が舞い落ちるのを見て楽しそうにしたり。





また、今度は青空をぼーっと見上げて。

今何を考えているのだろう…


































俺にも芸術肌の友達がいるにはいる。


そいつもどこか皆と違う感性を持った奴だったけれど。



やっぱり芸術家の考えることはよくわからない…





独特の感性、こいつはまるで子供のように。





















「空、楽しそう…」






ぽかんと口を開けながら青空を見上げ、


ふいにこう、呟いた。






「今日はご機嫌だね!」


「まあ、晴れてるしな」






こういう発言にどう返したらベストか未だに思い付かないけれど、


とりあえず無視はしていない意思表示をする。






「…」






しかしそれに対し返事はなく、相変わらず顔は空を見上げている。






ざわ、と木々が音をたて、

温い風が髪を舞い上げた。











「水色…」










ぽつり、風にのって囁きが。

つられて空を見上げると、確かに綺麗なスカイブルー。










「蒼…」










何を考えているのだろうか…


顔色を伺うように隣をそっと覗き込む。




少し目を細めて、まるで空の向こう側にある何かを見つめるように、


相変わらず天頂を仰ぐ姿。






「…うん」






納得したようにひとつ頷き、


横に立ててあったイーゼルを自分の正面に引きずってくる。





そのキャンバスに描かれているのは緑色。


どこかの風景だろうか、しかし明らかに足りないもの、










空の"蒼"









そうしてカラフルなパレットに筆を付け、


空の空白に色をのせていく。






しばらくしてそこに表れはじめたのは


今目の前に、広がる空より蒼い空色。






「やっぱり僕は蒼が好きなんだ」







筆を止め、目の前に広げた空の色を見つめながら言葉を続ける。







「今の空より濃い…でもどんな空より澄んだ蒼」







ふいにこちらに顔を向け、楽しそうに微笑む。






「蒼い色はきらきらしてて、あったかくて、優しくて」





















―僕は、大好きなんだ。






















ふわりと風が頬を撫でる。




楽しそうに動く筆。


徐々に彩られる蒼色の色彩。


幸せそうにキャンバスを見つめる横顔。





こんなゆったりと流れる時間が、



今では大切なモノだったりして。










そしてまた、空を見上げた。





















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ヒュ睦はほのぼのしてていいと思います(^_^)

…ってか私が書こうとすると、どうしてもほのぼので睦月が不思議な子になってしまいます…
愛故v((笑

睦月のために絵についていろいろ勉強しようかなー、なんて。




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