「何で空は、青いんだろうな…」









やわらかい風が吹く青い空の下。


街の中をふたり歩きながら、そんなことをふと思う。






「…なんでだろうね?」






隣からそんな答えが返ってきて。





顔をむけると、緑色の瞳と目があった。


ふわり、と風に髪が優しく揺れている。







「ヒューがそんな事言い出すの、珍しいねぇ」


「珍しい、って…何となく思っただけ」







そう言って、また空を見上げる。


所々を白い雲が、ゆったりと動いていた。








「青いな…」







自分の故郷ではあまり見ることの無い、爽やかな空の眩しさに目を細めながら、


その青をずっと、眺め歩いていた。





















ふと気付いたら、隣にいるはずの姿が消えていて。


少し慌て振り返ると、少し遠くで立ち止まっている姿が。






時々人に紛れ、見えなくなりそうな姿を追い掛けて、

やっと目の前へ。








「僕も空見てたの、そしたらね」








緑の瞳が、まっすぐに俺を捕らえて、








「ヒューがいるから、空が青くてとっても綺麗なんだね!」








青い空、

白い雲、

眩しい太陽、

そして俺。





その緑の瞳には、どのように映っているのか分からないけれど。


それを無理矢理知る必要はないだろう、そう思って。





またはぐれないように、手をひいて歩いていく。









二人が、青空の下離れてしまわないように、


そして少しでも繋がっていれば、何かがわかるような気もして…











青い空を、見上げていた。
















***********************************************


実はこれ、もとはずいぶん前にネウロで書いてたやつのリメイクだったりします。

そういえばふたりとも緑の瞳が共通点、
まあ文字通り吸い込まれそうな深い色といつもきらきら透明な色とは対照的ですが…


>>Back