ふわり、



微かに柔らかな香を纏い


静かに廊下を歩く一人の姿



そのすらりとした身体の脇には本を抱え


少し癖のある黒髪が歩みに合わせふわふわと舞う






後ろから名前を呼ぶと、

優雅ともいえる動きで振り返る。




その瞳は吸い込まれそうなブルー


そして、思わず魅入ってしまうようなゴールド





色の違う双眸が、こちらを捕らえた。







「何?ハジメ」






その容姿は明らかに日本のものとは違う、




でも言葉は、とても流暢な日本語で。






「いや、何となく見つけたから声かけただけ」






その双眸が、ちらりと辺りを見回した。




休日の学校はほとんど生徒も来ていなく、


からっぽの教室や廊下を夕日がオレンジに染め上げていた。


もちろん今いる廊下にも自分たち以外人の気配は少しもしない。





それを確認したのか、またこちらへ目線を戻し口を開く。






「何となく、か……本当に?」



「さあ、どうだろー」



「何となくでハジメが来るような所じゃないと思うけどね、この廊下は」






ここは普通の教室から少し離れた、美術室や理科室等のあるいわゆる特別教室の棟。


そしてこの廊下の突き当たりにはそこそこの蔵書がある図書室が。




…確かに俺が仕事以外で自主的に来るような所でないのは明確。






「…ミシェルならここにいるかな〜、と思って探しに来てみたんだよホントは」


「そっか…やっと本当の事言ってくれたね」





そう言って微笑む姿を見ると何故か心が温かくなって。







「用事も済んだし、僕はそろそろ帰ろうかな」


「そうだ、せっかくだから晩飯どっか食いに行かない?」


「…自分で作るの面倒臭いだけなんだろ?」


「や、別にそーいう訳じゃ…ない、かな…」


「…わかった。今日はハジメの行きたい所着いていくよ」


「やった!」









赤く染まる二人きりの廊下

並んで歩いて、話をして




くだらないことに笑って

つまらないものに喜んで






そうやってふたりでいることが、


いつの間にか堪らなく幸せだと感じてて。






そんな毎日がいつまでも続けばいいな、と


少し大人げなく思ってみたり…













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とうとうやっちまいましたよ、ハジミシェ!!

ノリと勢いで愛を詰め込んだんでいろいろ変ですがね…
ってか相変わらず短いよ文章が^_^;

少しでもハジミシェ(83)を布教できたらいいな…


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